匙を投げる

(薬の調合のための匙を投げ出す意)医師が治療の方法がないと診断する。また、物事に救済や改善の見込みがないと断念する。「広辞苑第六版より」

うめぼしの謎 / 三笠山出月

さて、しりとりリレーの季節がやってきましたよ。
今回マサトクさんから回ってきたのは「う」
お、これならあるかも。ごそごそ。キタ!うめぼしの謎!!

うめぼしの謎 (ギャグ王コミックス)

うめぼしの謎 (ギャグ王コミックス)

今は無き月刊少年ギャグ王で連載された4コマ漫画。なんかむささびみたいなやつが主人公らしいのだが、名前がついてなくて、どうやらそのままむささびって呼ばれてた生き物がなんかヘンなことをしている、いわゆるシュール系の漫画であった。当時は中学校くらいだと思ったのだけど、これは大変な作品であった。

まず主人公に名前が無い。顔が直線6本で書ける。ていうか1巻の表紙がそうだった。

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こんな感じ。

そして準主役的ななんかよくわからない犬のような猫のようなやつにも名前が無い。基本的にツッコミ係。

あとはなんか変なのが出てた。4コマ漫画のコマっていうか枠を無くして、コマなし4マンガとか、枠を三角とか四角、エニックスのeのマークにしてみたり、枠をそのままふきだしにしたりして、当時は斬新に感じたものである。当時はっていっても今やってる人もいないけどさ。

小林賢太郎の鼻兎が系統としては近いかもしれない。


ボクが本誌で読んでた頃に一番面白かったと感じたのは、欄外のコメントであり、どっちが本編か分からないというものであった。中でも編集部との対立なのだけども、編集部規制のため掲載できませんとか書かれてあったり、なんだか知らないけど、2巻発売直後に打ち切りになったきり3巻が出なかったりしてた。

今思えば、それもこれもエニックスコミック編集部と作者の壮大な釣りだったんじゃないかと思ったりもするけど、作者は当時高校生だったので、まぁ若かったんだろうなぁと思った。


当時はシュールですごい面白いと思ったのだけど、今改めて読み返してみたらそうでもなかった。もっとシュールでもっとすごい面白いインターネットというものを知ってしまったボクは、あの頃の無邪気なボクには二度と帰れないのだ。

どうやら蔵出しうめぼしの謎 完全版 (ダイトコミックス)というのが出てるようで、未掲載分と書き下ろしが加わった本が出てるらしい。
機会があれば買ってみようかしら。

ってことで、次は橋立さん(id:harumachi-an)に「ぞ」でバトンタッチ。