匙を投げる

(薬の調合のための匙を投げ出す意)医師が治療の方法がないと診断する。また、物事に救済や改善の見込みがないと断念する。「広辞苑第六版より」

議論の余地しかない / 森博嗣

読書感想しりとりリレーの3回目のバトンが回ってきました。マサトクさんから回ってきたお題は「ぎ」。
なんだ「ぎ」って。しりとりだから濁点取ってもいいのかしら。

末尾が濁音・半濁音…そのままで! 例:「ふしぎ遊戯(ぎ)」→「(ぎ)偽造の手口」

読書感想しりとりリレールールより

ぐへー。「き」はダメか。「き」ならなんぼかストックがあったんだけど。残念ながら「ぎ」のストックは無かった。本屋でそれっぽい本を探すことに。
ないなぁ。「行政書士過去5年問題集」くらいしか見当たらないぞ。さすがにこれで感想はきついなぁ。


できれば今勢力的に読んでいる森博嗣作品がいいなぁ。アマゾンさん検索開始。
「議論の余地しかない」
あるじゃん。ってことで、青森市民でもないのに青森市民図書館で借りてきた。

議論の余地しかない

議論の余地しかない

開く。何これ。小説じゃなかった。「君の夢 僕の思考」っていう写文集?の続編みたいなものらしい。

本書は、著者の作品群の中から、心にふれる言葉を選び出し、著者がその文章に合う写真を撮り、オリジナル・メッセージを付与して出来上がった写文集である。

アマゾンのレビューより引用

っていうことで、森作品の中の印象的な部分を抜き出して、自分で撮った写真と、コメントを加えた本なわけです。

ボクがこの本を見て一番最初に思ったことは、「失敗した」だった。
いや、本の内容が悪いわけじゃない、ただ、先に森作品をもっと読んでおけばよかったという意味で「失敗した」だった。一部分を抜き出した位じゃ、抜き出された本の内容なんてわかるわけはないけど、断片的な情報が知れてしまう。しかも抜き出した作品とページ数まで書いてある。
詩的私的ジャック」の365ページで西之園嬢が犀川助教授にそんなことを言ってるだなんて!まだ読んでないのに!ネタばれもいいとこだ。たぶんミステリの内容としては大した問題ではないんだろうけど。と思うことがいくつかあった。
同じく読んでない作品「笑わない数学者」では、働かざるもの食うべからずが一番下品な格言とか言ってて、本来の高尚な意味は一日作さざれば一日食らわずなのだそうだ。
それについてのコメントが、どうにも理解できなかったのだけど、書いたら書いたで馬鹿にされそうな気がしてきたので黙っておくことにする。

森作品の、本題であるミステリ以外の部分の、不可解であるとか、なんでこの場面でその会話を入れてくるんだろうとか、そういうところの解説が、されてたり茶化されてたり。正直、写真の方は意図がわからなかったけど、森作品をある程度読んでる人なら、見たことのあるフレーズが出てきて、それに対して、森先生のコメントであったり解説であったりが書いてあるのは、結構楽しいんじゃないのかな。


あ、今アマゾン見たら仰天!オカルト業界編集日記ってのがあった。ちょっと面白そうだな。

ってことで、橋立さん(id:harumachi-an)に、「い」でバトンタッチです。