匙を投げる

(薬の調合のための匙を投げ出す意)医師が治療の方法がないと診断する。また、物事に救済や改善の見込みがないと断念する。「広辞苑第六版より」

スギ花粉は去年の30倍!?

スギ花粉症のみなさま、お疲れ様です。嫌な季節が近づいてきましたね。
最近テレビではやたらと今年の花粉症は大変とのたまっております。厚生労働省でも、緊急の花粉症対策を実施するとのことです。
参考:MSN産経ニュース

毎年のように、今年は去年の何倍の花粉が舞うとか言われて、段々感覚が麻痺してきたのですが、さすがに30倍と言われて驚いたのでちょっと調べてみましたよ。


東京都福祉保健局健康安全室環境保健課というやたらと長い部署名のサイト*1では、経年で花粉症の情報を提供しています。ボクが今日見たニュースと同じようなグラフがあったので、それを紹介。

404 Not Foundでは、

飛散花粉数
今春のスギ・ヒノキ科飛散花粉数は非常に多く、16年春と比べ、最大で30倍を超える予測も
(表1、図1、参考1)

と書いてあります。おお、去年の30倍は本当だったのか!で、表1、図1、参考1に詳細が書いてるのか。どれどれ見てみましょう。


表1はなんだか分かりづらいなぁ。とりあえず図1を見てみるか。

f:id:sajiwo:20050124091757:image:w400
(見にくいと思うので、直接環境保健課のサイトを見るか、クリックして別窓に表示してください。)

確かに2005年は多いなぁ。あれ?でも待てよ、去年、少なくね?このグラフに載ってる10年(17年除く)で一番少なくね?

とりあえず計算してみますか。グラフに載ってる過去10年(7年〜16年)の平均は、4813.4個/cm2だって。去年の約10倍。逆に言えば、去年は平年の10分の1の量しか飛散してないってことです。そんな少ない年と比べられても。
そういえば、MSN産経ニュースでも、

尾辻厚労相は「観測史上、1、2を争う多さの花粉が飛散すると予測されている。花粉にさらされないよう予防し、必要があれば早めに受診するよう国民に呼び掛けたい」と述べた。

1,2を争うといったレベルでしか発表してなかった。


やたらと大きい数字で不安を煽るマスコミにまんまと騙されてしまいました。
とはいえ、過去10年間で一番多かった平成7年よりさらに多く、平年*2の約2.5倍の量が予測されていますので、脅威には違いありません。
花粉の飛散量が多いときに花粉症デビューする人も増えるといいますので、花粉症の人だけでなく、今は花粉症でない人もお気をつけください。

*1:自分のところ数えたら31文字あったので人のこと言えないどころかこっちの方がやたらと多すぎた。

*2:上で出した、ここ10年の平均を勝手に平年と呼んでみた。