匙を投げる

(薬の調合のための匙を投げ出す意)医師が治療の方法がないと診断する。また、物事に救済や改善の見込みがないと断念する。「広辞苑第六版より」

今はもうない / 森博嗣

読書感想しりとりリレーマサトクさんから回ってきた。お題は「い」
おー、どうにかなりそうだなぁ。さて、ボクの比類なき書斎(マンガのみ)から「い」で始まる本を〜、ってマンガ本ほとんど実家に置いてきてるー!ってことで「い」で始まる本が手元になかった。とりあえずいけそうなのを思い出す。

  • 頭文字D・・・連載中・・・×
  • いでじゅう・・・連載中・・・×
  • 一本とれる柔道上達Book・・・感想書きにくい・・・×
  • インターネットがすべてわかる本・・・「ん」・・・×

読むものが無い。そもそも柔道上達Bookについては持ってない。同様に一本とれる剣道上達Bookも無い。
仕方ない。「今はもうない / 森 博嗣」を読もう。
「今はもうない」については、しりとりリレー打ち合わせ掲示板で、本条さんが超タイムリーに例としてあげちゃったので、使えないじゃん!とか思ったけど気にせず読むことにした。
すべてがFになる」から数冊飛ばして2冊目で「今はもうない」を読む。大丈夫だよね?


数冊飛ばすといってもこれ8冊目じゃなかったっけ。ほんとに大丈夫かなぁと思ったがとりあえず読んだけど、面白かったね。終わり。
というわけにもいかないので、それとなく行数を水増しするためにあらすじなんか書いちゃうと、西之園萌絵犀川助教授がドライブしながら、西之園嬢の体験した出来事(事件)を話していく形なんだけど、話は笹木という人物の一人称視点で進む。
ジャンルはミステリーとなっているものの、推理小説的側面も持ち合わせているので、詳細を書くのは控えたいと思う。ただ単にめんどくさくなっただけとは口が裂けても言えない。書くけどな。

とにかく、この本は最後の一文に全てが集約されていると言っても過言ではない。実に単純なトリック。確かに文中では一言も言ってないのだ。ついミステリー小説家のような口調になるくらいに。


な、なんだってー(AA略


それがボクの感想である。これは読んだ人でなければわからない。ということで読めばいいと思う。ちなみに、推理小説ではなく、ミステリーであることから、事件自体は、まぁ解決してるようなしてないようなという感じで、作中で推理とか仮説とかトリックとか散々言ってたけど、推理小説として読むにはちょっと消化不良ぎみかなぁと思った。

裏表紙に、「S&Mシリーズナンバーワンに挙げる声も多い清冽な森ミステリィ」と書いてあるが、2冊しか読んでないけど、さすがにナンバーワンは無いかなぁと思った。

これ以上書くのは控えておこう。あと、土屋賢二氏の解説(全く解説ではないが)が面白かったので、それだけでも読む価値が・・・、いや、セットで読むのがいいです。でも読んで損は無い作品。さすが森作品。